研究分担者 |
鈴木 康之 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40304092)
藤野 泰宏 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30335450)
谷岡 康喜 神戸大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (00372649)
横野 浩一 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50144580)
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研究概要 |
平成16年3月の膵・膵島移植研究会「膵島移植ワーキンググループ」の会合で、地域ブロックごとに膵臓摘出、膵島分離・移植を進めていく基本方針が確認された。当施設は西近畿・中四国ブロックの中核施設として、以下の方針で取り組みを始めた。 心停止ドナーからの臓器摘出には摘出チームを派遣し、搬送中には二層法保存を行う。搬送後、Ricordi法で膵島分離を行い、分離膵島の収量を確認する。そして分離直後および二層法を用いた培養後に、形態学的および機能的評価を行う。5,000IE/kg recipient以上の膵島が得られれば、当施設で膵島移植を希望し、登録している1型糖尿病患者に膵島移植を行う。 今年度、2例の心停止ドナーから膵島分離を行い、1例の1型糖尿病患者に膵島移植を行った。1例目のドナーは15才男性で、心停止後温阻血時間は1分、冷阻血時間は315分、二層法保存時間は293分であった。結果、消化後の収量は378,383IEQであったが、純度30%以下と純化不能であり移植には至らなかった。2例目のドナーも15才男性で、温阻血時間は3分、冷阻血時間は300分、二層法保存時間は209分であった。結果、収量は消化後301,517IEQ、純化後291,084IEQで体重49kgの30才台の女性レシピエントに移植を行うこととなった。純化から移植のすべての準備が整うまでに人アルブミン添加RPMI-1640を培養液とし、37℃、5% CO2下にovernight(16hrs)で標準培養(コントロール)を行った。培養後の収量は258,816IEQで、最終的に252,816IEQの膵島が移植された。純度はpure fractionが95%、unpure fractionが40%であった。また% Viabilityは83%、Stimulation Indexは2.71であった。 実験的には、膵島分離前の膵臓の二層法保存による、その後の膵島収量や機能の向上効果を極めて客観的な手法で証明し、その結果を報告した(Transplantation, in press)。また、分離膵島の培養に二層法を応用する手法の有用性を証明し、報告した(Hepato-Gastroenterol, in press)。以上により、二段階二層法の有用性は基礎実験において証明された。
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