研究課題/領域番号 |
15209044
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
塩崎 均 近畿大学, 医学部, 教授 (70144475)
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研究分担者 |
肥田 仁一 近畿大学, 医学部, 講師 (20238306)
今本 治彦 近畿大学, 医学部, 講師 (80351609)
奥野 清隆 近畿大学, 医学部, 教授 (30169239)
西村 訓弘 (株)ラボ, 主任研究員
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キーワード | cDNAアレイ / 食道癌 / 大腸癌肝転移 / ニューラルネットワーク解析 |
研究概要 |
腫瘍組織からmRNAを抽出し、それを鋳型にcDNAを合成、ビオチン標識したのちPCR法により増幅する。これを用いて約1300種余りの既知の癌関連遺伝子を配置したナイロンメンブランフィルター上でハイブリダイゼーションを行い、化学発光させ、その発光強度をCCDカメラ型のイメージアナライザーで測定し、相対発現度を算出した。データの総合的な解析は共同研究者である多田光宏助教授(北海道大学遺伝子病制御研究所)が開発した解析ソフトウェア(GenLab)を用いている。これまでに大腸癌サンプル20症例(肝転移あり:10例、肝転移なし:10例)を用いて肝転移の予測が可能かを検討した。発現強度が0.5以下であった遺伝子を削除したのち、肝転移群と非肝転移群各10症例において群間比較で発現に有意差を認めた(P<0.05)96個の遺伝子を用いてクラスター解析を行ったが、肝転移群と非肝転移群の症例が相互に介入し、識別はきわめて不良であった。そこで、ラジアル基底関数をベースとする確率論的ニューラルネットワークによる教師付き学習アルゴリズム(supervised learning)で検討した。特徴因子数が12〜47遺伝子の場合に学習症例の識別率が100%になる適切なモデルが作成されたため、これを用いてテストサンプルの検討を行ったところ、すべて正しく判定された。そこで本法を利用して食道癌におけるリンパ節転移予測の検討を開始した。ところが食道癌サンプルは大腸癌と異なり、極めてmRNAのクオリティーが悪く、以後の解析が不可能であった。最大の理由は開胸操作で食道を遊離し、その後の開腹操作で癌摘出となるため、その時間経過によりRNA変性を来すためと考えられた。そこで現在は術前の生検サンプルによるRNA抽出を試みている段階である。
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