研究課題/領域番号 |
15209047
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
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研究分担者 |
山本 隆充 日本大学, 医学部, 助教授 (50158284)
酒谷 薫 日本大学, 医学部, 教授 (90244350)
関根 好文 日本大学, 理工学部, 教授 (90059965)
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キーワード | tremor / DBS / feed back / feed forward / EMG / tremor cell |
研究概要 |
振戦38例ならびに書痙6例の計44例例(55側)に対して視床Vim/Vo核刺激を行い、全例で手術後に十分に満足できる振戦ならびに書痙の抑制効果が認められた。今回の結果から、パーキンソン病ならびに本態性振戦ではVim核をcathode、Vop核をanodeで刺激する方法が有効であった。post-stroke tremorでは逆にVim核をanode、Vop核をcathodeで刺激する方法で著効例が多く認められた。また、focal dystoniaに分類される書痙ではVim核をanode、Vop核をcathodeとする刺激が有効であった。また、視床Vim核をcathode刺激した症例と比較して、視床Vop核をcathode刺激した症例の刺激強度が高かった。これらの結果から、各種の振戦や書痙に対する脳深部刺激療法の刺激部位ならびに刺激方法については結論が得られた。 一方、振戦制御のフィードバック機能を持つデバイスの開発では、postural/action tremorあるいはwriter's cramp症例の胸部、上腕、前腕の筋肉から表面筋電図を記録し、それぞれのpostural/action tremorに先行して出現する筋電図をトリッガーとして、脳深部刺激装置のスイッチをONとするシステムを開発した。また、この筋電図反応から刺激のトリッガーをかけるシステムは、筋電図の振幅、周波数をそれぞれ分析し、症例ごとにトリッガーの設定レベルを調整できる方法で、同時に複数の筋電図の変化を統合してトリッガーのONとOFFを決定することが可能となった。この装置の開発によって、筋電図をトリッガーとするフィードバック機能を持った脳深部刺激が可能となった。今後、脳内信号として、視床の振戦同期ニューロン、大脳皮質の緩電位変動ならびに近赤外線を用いた経頭蓋的な脳血流変化をトリッガーとしてpostural/action tremorあるいはwriter's crampの制御を行う装置を筋電図を用いたトリッガー装置の改良と平行して開発する段階に到達した。
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