研究課題
ラット骨髄由来細胞と連通多孔体ハイドロキシアパタイトとのハイブリッド人工骨の作成を行い、ラットin vivoでの骨再生を定量評価した。骨髄幹細胞を採取し、1週間の初期培養にて増殖させた後、デキサメタゾン、β-グリセロリン酸、アスコルビン酸存在下で2週間培養し骨芽細胞へと分化させた。人工骨内に含浸させ、同系ラット背部筋肉内に移植した、移植後4週で、人工骨内の骨形成を単純X線、マイクロCT、骨塩定量(DEXA法)、圧縮強度などの力学誠験を行って評価し、組織学的評価との対比により、非侵襲的画像検査-組織学的評価-力学試験の3評価法の相関性を検証した。単純X線像、骨密度、マイクロCTでの気孔内新生骨体積、病理組織所見は類似した経時的変化を示した。一方、圧縮強度はこれらの測定法に比べ変化が遅い傾向が見られた。骨形成に血管新生が不可欠である点を考慮し、連通多孔体人工骨の内部に、血管を新規に誘導し、さらなる骨形成の促進、早期の骨再生を試みた。ラット下腹壁動静脈束を剥離し、人工骨(6x6x10mm)の内部に導入し、腹壁筋肉内に移植した。術後6週で、血管束導入群にのみ、厚い線維性結合組織および、豊富な血管ネットワークを認めた。さらに、人工骨内にポリ乳酸/ポリエチレングリコール共重合体(20mg/block)を担体とし、合成ヒト骨形成蛋白(rhBMP-2,2-10μ9)を含浸させ同様の血管束導入を行った。rhBMP-2,10μgおよび血管束を導入した群では、ラット筋肉内において深部まで豊富な骨形成を認めた。骨形成は、血管束近傍に著明に認められ、骨再生における血管導入の重要性が示されtissue engineeringによる臨床応用が期待された。
すべて 2004
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関節外科 23
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