研究課題
連通多孔体構造を有するハイドロキシアパタイト人工骨により、長管骨の大型骨欠損部の再生を試みた。人工骨にポリ乳酸/ポリエチレングリコール共重合体(20μg/block)を担体とし、合成ヒト骨形成蛋白(rhBMP-2,5-20μg)をハイブリッドし、ウサギ前腕欠損部(15mm)に移植した。人工骨のみでは、術後5週で骨癒合は得られなかったが、骨形成蛋白投与群で、良好な欠損部の骨再生、骨癒合を認めた。人工骨内の骨形成を単純X線、マイクロCT、骨塩定量(DEXA法)、圧縮強度などの力学試験を行って評価し、組織学的評価との対比により、非侵襲的画像検査-組織学的評価-力学試験の3評価法の相関性を検証した。単純X線像、骨密度、マイクロCTでの気孔内新生骨体積、病理組織所見は類似した経時的変化を示した。関節軟骨の修復には、良好な軟骨下骨の形成が重要であると考え、ハイブリッド人工骨による軟骨下骨の再生、関節軟骨の再生を試みた。ウサギ大腿骨関節軟骨に、直径4mm、深さ6mmの骨軟骨欠損を作成し、同部にポリ乳酸/ポリエチレングリコール共重合体(5μg/block)を担体とし、合成ヒト骨形成蛋白(rhBMP-2,20μg)をハイブリッドした人工骨を埋植した。人工骨単独の移植では、移植後6週でも軟骨下骨の再生は不良であり、関節軟骨面は、線維性組識で被覆された。一方、骨形成蛋白投与群では、X線学的、組織学的に旺盛な軟骨下骨の再生と硝子軟骨様の関節面の再生が観察された。
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