研究課題/領域番号 |
15209054
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 雄二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40283759)
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研究分担者 |
下屋 浩一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40291950)
金川 武司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40346218)
福田 裕償 国立循環器病センター(研究所), 産科, 医師 (40324751)
木村 正 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90240845)
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キーワード | 新生児低酸素虚血性脳障害 / IL-18 / hypercapnia / ステロイド |
研究概要 |
新生児低酸素虚血性脳障害モデルラットを用いて低酸素虚血性脳症の患側、健側および低体温療法後の患側、健側の脳組織からAGPG法を用いてRNAを回収し、炎症性サイトカイン関連遺伝子群、成長因子関連遺伝子群、接着因子関連遺伝子群、アポトーシス関連遺伝子群などの各種遺伝子群について網羅的にreal time PCR法を用いて発現遺伝子量の差異について解析した結果IL-18が、最も低酸素虚血性脳症の患側、健側における脳組織における遺伝子発現量に有意な差異が確認された。そこでIL-18の発現量の差異について検討したところ新生児低酸素虚血性脳障害モデルラットの患側脳組織においてIL-18の発現が蛋白レベルおよびmRNAレベルで増強していることが確認され、低体温療法による治療によって患側におけるIL-18発現量が、蛋白レベルおよびmRNAレベルにおいて健側における発現レベルと同程度になるまで発現量の改善が認められ、新生児低酸素虚血性脳症における治療法の標的因子となりうる可能性が明らかとなった。この知見をもとに遺伝子治療の可能性を検討中である。さらに、新生児低酸素虚血性脳障害におけるhypercapniaの及ぼす影響を長期的に検討したところ軽度のhypercapniaが、神経学的予後を長期的に予後改善することが明らかとなり、hypercapniaの新生児低酸素虚血性脳障害治療への応用の可能性が明らかとなった(Am J Obstet Gynecol,2006 in press)。さらに、胎児新生児医療において広く用いられているステロイド療法についてラットモデルを用いて解析し、ステロイド療法による脳重量の減少、脳内の神経幹細胞減少が確認され、ステロイド療法の神経発達に及ぼす負の作用を明らかとした(Am J Obstet Gynecol 2006,194,231-8)。
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