研究課題/領域番号 |
15209055
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加我 君孝 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80082238)
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研究分担者 |
山岨 達也 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60251302)
伊藤 健 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50251286)
岩崎 真一 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10359606)
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40334370)
狩野 章太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00334376)
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キーワード | ABR / 方向感 / 聴皮質 / 骨導 / Time-Intensity-Trade / 脳磁図 / 誘発電位 / 髄鞘化 |
研究概要 |
聴空間情報処理メカニズムについて以下の成果をあげた。 1.ラットの聴皮質の多点同時記録法を用いた研究:(1)聴皮質については2つの反応潜時の異なる部位が存在することを明らかにした。(2)音刺激を用いた場合と電気刺激を蝸牛神経核に与えた場合も、聴皮質には2つの反応潜時の異なる部位が存在することが明らかになった。このことは両側聴神経腫瘍により聴力を失ったNF2患者のABI手術の意義につながるものであった。(3)ONとOFF反応の周波数や振幅による存在を明らかにした。以上より、ラットの聴皮質のモデル実験を確立した。 2.MEGを利用したヒトの聴皮質の役割に関する研究:(1)Binaural beatが聴皮質に双極子にあることを明らかにした。(2)音色の違いが聴皮質上のdipoleの位置の違いとして記録されることがわかった。(3)聴皮質損傷例では中間潜時反応は誘発電位では残在する場合があるが、脳磁図では消失することがわかり、中間潜時反応はN1mより潜時は短いが同様に反対側の聴皮質に起源のあることがわかった。 3.音像偏位法による両耳聴の研究:(1)両耳骨導による聴空間情報処理を明らかにすべくフレェイ社の超磁歪骨導システムと従来から用いられている骨導端子を両耳に装用させて研究を行った。その結果時間差および音圧差については両方とも差はないが、時間差・音圧差時間取引については超磁歪型が優位に優れていることがわかった。(2)気導における時間差・音圧差取引は、いずれを先行させても変わらない結果となった。この取引という現象は感覚レベルではなく認知レベルであることがわかった。 4.スピーカーによる音源定位法:無響室にて被験者の前方に8個のスピーカーを半円の上に並べ無響室で行った。現在プレミナリーの結果があるが片耳人工内耳、反対側耳補聴器のbimodal法は音源定位は不完全であることが示唆された。
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