研究課題
基盤研究(A)
人工視覚における刺激方式には大脳皮質刺激、網膜上、下からの網膜刺激、我々が考案した強膜脈絡膜間、強膜内からの網膜刺激など、様々な方式が提案されている。この度我々は、視神経乳頭に刺入設置した電極により視神経に電流刺激を加えることによる視神経刺激型人工視覚の可能性について検討した。(1)電極の開発:初年度は直径200umの針型白金電極、次年度には直径50umの極細白金電極を作成した。それらはいずれもエポキシコーティングされたものであった。3年目には直径50um、80umの白金電極を、より生体適合性にすぐれたパリレンでコーティングしたものを開発した。(2)手術術式の開発:電極設置術式、眼外でのワイアの固定の術式を開発した。強膜創作成後、電極線を眼内に挿入し、顕微鏡下にて先端部を視神経内に刺入した。強膜上で電極線を縫合固定し、また強膜トンネルをくぐらせることによりさらに安定性を高めた。(3)効果の判定(急性期、慢性期):直径200umの電極を用いた急性実験、直径50umの電極を用いた急性、慢性実験を実施し、いずれの場合も視神経を電極を通じて電気刺激することにより後頭部視覚野上に設置した電極より誘発電位を記録することが可能であった。慢性実験においては、電流閾値が術直後と比較して、術後1か月では上昇したが、その後6ヶ月までは術後1ヶ月の値と有意な相違を認めなかった。(4)安全性の評価(急性期、慢性期):組織学的に著明な合併症を認めず、また網膜電図において術前と比較して有意は変化を認めなかったことより、少なくとも6ヶ月までは安全であると考えられた(5)電極設置環境改善に関する研究:電極の視神経乳頭設置後に生じうる増殖性網膜症に関与する血小板由来増殖因子(PDGF)およびインテグリンに関する基礎研究を行い、PDGFにおける網膜色素上皮のゲル収縮活性はMAPK、PI3Kを介していることを解明した。以上より、当方式が、人工視覚システムの一方式となり得る可能性が示唆された。
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