研究分担者 |
山本 敏男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30107776)
辻極 秀次 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70335628)
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70237535)
井上 正久 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (20223274)
長岡 紀幸 岡山大学, 歯学部, 教務員 (70304326)
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研究概要 |
Amelogeninはエナメル質を形成する代表的な基質蛋白であるが,歯原性腫瘍におけるAmelogenin遺伝子発現に関する詳細は不明である。そこでエナメル上皮腫におけるAmelogenin遺伝子発現について,RT-PCR法によりAmelogenin遺伝子発現の検索を行った。 エナメル上皮腫全例(19例)でAmelogenin遺伝子の発現が認められた。また,Amelogenin遺伝子の発現は,歯胚発生過程と異なり,女性患者より男性患者で高い傾向が認められた。以上の結果からエナメル上皮腫におけるAmelogenin遺伝子の発現は歯牙発生時と異なっており,腫瘍化に伴う性染色体のエピジェネティクスな変化が,Amelogenin遺伝子の制御に影響を及ぼした可能性が示唆された。 歯胚発生段階における,基底膜と形態形成因子,細胞分化との関連を明らかにすることを目的に,マウス歯髄由来MDPC-23培養細胞を用いてin vitoroおよびin vivo条件下で実験を行なった。 MDPC-23細胞は培養条件下で恒常的にBMP-4およびCbfa1遺伝子発現が認められたがBMP-2の発現は認められなかった。しかし,高石灰化条件培地(含beta-glycerophosphate)ではBMP-2遺伝子発現が誘導された。また,MDPC-23細胞は脱灰象牙質上での培養条件下で象牙細管様の細胞突起の形成を認めた。実験動物への移植実験ではMDPC-23細胞は移植後4週間で石灰化を示した。 以上の結果からMDPC-23細胞は,歯髄細胞の性格を有しており,歯牙形成における遺伝子発現の検索に有用であると考えられた。 現在,基底膜様物質存在下(コラーゲン)での細胞分化,遺伝子発現について検索中である。
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