研究課題/領域番号 |
15209060
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
永井 教之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90085770)
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研究分担者 |
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70237535)
辻極 秀次 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70335628)
山本 敏男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30107776)
長岡 紀幸 岡山大学, 歯学部, 教務員 (70304326)
井上 正久 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (20223274)
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キーワード | 歯原性腫瘍 / 歯胚 / 基底膜 / IV型コラーゲン / α鎖 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
歯原性腫瘍の機能分化に上皮一間葉相互作用が存在し、基底膜が重要な役割を果たすことが示唆されてきた。そこで今回基底膜の主要な構成成分であるIV型コラーゲンのα1〜α6鎖に対する抗体を用いて、良性および悪性歯原性腫瘍を免疫組織化学的に検討し、ヒト歯胚との類似性を検討した。 ヒト歯胚ではすべての歯原性上皮基底膜部位に一致してα1、α2、α5、α6鎖が認められ、α4鎖は内エナメル上皮のみに認められた。 良性歯原性腫瘍では歯胚と類似したα鎖の染色結果が得られた。エナメル上皮腫ではα1、α2、α5、α6鎖が断続的にあるいは連続的に線状の陽性所見を示し、α4鎖は陰性であった。腺様歯原性腫瘍では上皮胞巣内の腺管様構造ではα1、α2、α4、α5、α6鎖が陽性を示し、上皮胞巣周囲の立方形細胞が索状に増殖している部位、および石灰化物周囲の扁平上皮様細胞の基底膜ではα1、α2、α5、α6鎖が陽性を示し、α4鎖は陰性であった。歯原性間葉を伴う腫瘍(歯牙腫、エナメル上皮線維腫)ではα1、α2、α4、α5、α6鎖が陽性であった。 一方、悪性歯原性腫瘍においては、エナメル上皮線維肉腫はα1、α2、α5、α6鎖が弱陽性を示し、α4鎖は限局的な陽性反応を示した。悪性エナメル上皮腫ではα5、α6鎖が不連続、線状の陽性所見が観察され、部位により幅の広い線状、顆粒状物質として認められた。α1、α2、α4鎖は陰性であった。原発性骨内癌ではα1、α2鎖は不連続、線状の弱陽性反応を示した。α5、α6鎖はα1、α2鎖と比較し明瞭な陽性を示す傾向がみられ、α4鎖は陰性であった。 以上の結果から、歯原性腫瘍基底膜におけるIV型コラーゲンα鎖の局在は良性では歯胚への分化と相関し、悪性ではその局在において特異性を示すことから、他の腫瘍と歯原性腫瘍の鑑別解析に有用な所見と考えられた。
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