研究分担者 |
長塚 仁 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (70237535)
MEHMET Gunduz 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70333507)
山本 敏男 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30107776)
高木 慎 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (40116471)
玉村 亮 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00403494)
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研究概要 |
本研究では歯原性腫瘍の生物学的性状及び歯胚の発育・細胞分化について明らかにすることを目的として分子生物学的解析を行った。 1.エナメル上皮腫におけるAmelogenin遺伝子の発現様式は歯牙発生時と異なっており,腫瘍化に伴う性染色体のエピジェネティクスな変化が,Amelogenin遺伝子の制御に影響を及ぼした可能性が示唆された。 2.良性および悪性歯原性腫瘍において基底膜の構成成分であるIV型コラーゲンα1〜α6鎖の局在を免疫組織化学的に検討した結果、良性では歯胚への分化と相関し、悪性ではその局在において特異性を示すことを明らかにした。 3.歯胚発生におけるNotch signaling pathwayの機能解析を行うため、マウス臼歯でのNotch1,ligandであるJagged2,ターゲット遺伝子であるHes5,また、Hesによりinhibitされる分化因子Math1のmRNAの発現をin situ hybridizationにより検索した。Jagged2とMath1は歯胚の進んだ段階で、エナメル芽細胞や象牙芽細胞の分化の調整に関わっていると考えられた。Math1は、歯胚発生において細胞分化を誘導するNotch1シグナリングカスケードと密接に関与することが示された。生後段階でのエナメル芽細胞や象牙芽細胞の分化におけるNotch1の一時的な発現は、Notch1がシグナルを通しての細胞分化に特異的で短期間に機能することを示唆していると考えられた。 4.良性および悪性歯原性腫瘍におけるヘパラナーゼの発現に加え,ヘパラナーゼが特異的に分解するヘパラン硫酸およびヘパラン硫酸結合性サイトカインであるBMP-4について検討した。ヘパラナーゼは歯原性腫瘍において特異的な発現を示し,ヘパラン硫酸とヘパラン硫酸結合性サイトカインの調節により,その浸潤や細胞の分化に関与する可能性が示唆された。
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