研究分担者 |
柳 文修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50284071)
本多 康聡 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40284070)
岸 幹二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30033202)
山本 尚武 岡山大学, 医学部, 教授 (50032941)
高橋 則雄 岡山大学, 工学部, 教授 (40108121)
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研究概要 |
本研究の目的は,歯科領域を対象としたMRI用磁気回路を開発し,それを用いた小型MRI装置を作製することである.その第一段階として,MRI実験を行なう上に必要なファントムの開発とMRI画像の再構成方法について研究を行なった。 MRIを作製するためには,その装置とそれをテストするための被対象物体,ファントムが必要である。ファントムとしては液体ファントムが広く使用されているが,人体の縦緩和時間は横緩和時間より1桁大きくなっているにもかかわらず液体ファントムではそれらの値はほぼ同じ値になることや,液体であるために任意の形状を作製することが困難であること等,問題点がある。我々は人体の組織全てに対して緩和時間を等価にできる固形のファントムを開発した。材料は,カラギーナン(固形剤),縦緩和剤(壇化ガドリニム),横緩和剤(アガロース),導電率調節剤(食塩),保存剤(窒化ソーダ),そして水である。多数のサンプルを作製することにより,材料の濃度,緩和時間,および導電率についての実験式を導いた。模擬する組織の縦緩和時間,横緩和時間,そして導電率を実験式に代入することにより,目的とする組織と等価なファントムを作製することができる。また非常に弾性のつよいゲルであるため,ナイフでもって任意の形状にカットすることができ,その形状は補強材を用いずに維持することができる。 MRI装置を作製するためには,被測定体のプロトンを磁気的に共鳴させ,それより発生する磁場信号を画像に再構成する必要がある。2次元において初期位相のずれたプロトンの歳差運動から画像を再構成する数学的手法についても研究を行なった。
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