研究課題
歯内療法・保存修復・歯冠補綴・歯科理工という、様々な角度から共同で歯根破折に関する研究を行った。デンタルX線写真上での、根尖部透過像の輪郭の複雑度およびRadial SDは垂直性歯根破折と根尖性歯周炎とを鑑別する指標として、有効である可能性を明らかにした。また、歯科用実体顕微鏡下で、セメント質を除去して垂直性歯根破折を発見できた症例について報告した。3種のコア用レジンシステムの象牙質に対する接着性能と各種光照射器が接着に及ぼす影響について検討した。その結果、コア用レジンシステムの接着強さは、材料および照射条件により影響をうける事が分かった。システム間の比較では、Clearfil DC Core Automixが最も高い接着強さを示し、化学重合のボンディング材を用いた試作レジンコアシステムS6054は、Unifil Coreと同程度、またはそれ以上の接着強さを示すことがわかった。ファイバーポストおよびコンポジットレジンにて支台築造を行った小臼歯モデルに、全部鋳造冠、ハイブリッドセラミックス、オールセラミックスの3種類で最終補綴物を作成し、2種類のセメントを用いて合着した三次元要素モデルを作成し、咀嚼時の歯頚部象牙質の応力分布を解析した。その結果、ハイブリッドセラミックスクラウンをヤング率が比較的高いセメントで合着した場合が最も歯頚部の応力集中が緩和されることが明らかとなった。東京医科歯科大学歯学部附属病院むし歯外来、義歯外来等において、担当医により歯根破折と診断され抜歯に陥った歯の破折様相を分類し、CCD-カメラとSEMの観察にて破折の発生要因について検討を行っている。また、新世代根管充填材として注目されているレジン系根管充填材を用いた根管充填が垂直性歯根破折に対する抵抗性を変化させるかについて基礎的検討を行っている。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
歯科材料・器械 24
ページ: 211-215
日本歯科保存学雑誌 48
ページ: 239-243
Dent Mater J 24(1)
ページ: 66-69
Am J Dent 18
ページ: 233-236
歯科審美 17・2
ページ: 209-216