研究課題/領域番号 |
15209065
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤峰 昭文 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117053)
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研究分担者 |
渡邊 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
白畑 實隆 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90154377)
中島 美砂子 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (20207773)
平田 昌子 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (10153769)
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キーワード | 遺伝子導入 / バイオ歯 / 三次元培養 / 歯髄組織幹細胞 / 象牙質・歯髄再生 / 象牙芽細胞 / BMP / scaffold |
研究概要 |
本研究では、従来のバイオマテリアルではなく、天然の象牙質・歯髄複合体を有するバイオ歯を三次元高密度細胞培養により試験管内で作製することを目的とする。まず、ブタ歯髄からコラーゲナーゼにより分散させた細胞から、空冷ヘリウムカドミウムレーザーUVつきの高速自動細胞解析分取システムにて細胞を分離し、コラーゲンコートディシュ上で細胞を培養増殖させた。継代後、電気的にGdf11遺伝子を導入し、2週後にtotal RNAを分離精製し、象牙芽細胞の分化マーカーであるDentin sialoprotein(DSP)のmRNA発現をリアルタイムRT-PCRで調べ、象牙芽細胞への分化を確認した。歯科用顕微鏡下で、細胞が定着し細管象牙質を形成できる足場となるscaffold上に直径300μmの半円球を作製し、Gdf11遺伝子導入した歯髄幹細胞を高濃度で付着させた。7日後に光学ならびに電子顕微鏡標本を作製し形態観察を行ったところ、scaffoldに垂直的に長く細胞突起が伸び、細胞間はtight junctionにて密に結合していた。また、分化マーカーDSPおよびenamelysinのmRNA発現がin situ hybridizationにて確認されたことから、scaffold上に象牙芽細胞層が形成されていることが示唆された。しかしながら、14日目ではアポトーシスが生じ、scaffoldと象牙芽細胞の間には、天然の象牙質・歯髄複合体でみられるような象牙質基質形成はみられなかった。現在、静水圧刺激を継続的に加えアポトーシスが防止できるかどうかを調べている。
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