研究課題/領域番号 |
15209071
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
栗原 英見 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161765)
|
研究分担者 |
河口 浩之 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10224750)
永田 俊彦 徳島大学, 歯学部, 教授 (10127847)
西村 英紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80208222)
国松 和司 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20170011)
川浪 雅光 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10133761)
|
キーワード | 歯周炎 / 糖尿病 / 動脈硬化 / インスリン抵抗性 / 循環器疾患 / 口腔ケア |
研究概要 |
歯周病が様々な全身疾患と関連していることが欧米の研究から示唆され、日本でもエビデンスを確立するべく本研究を企画した。まだ研究途中であるが、とれまでに多くの所見が示唆された。全身疾患として、主として糖尿病、動脈硬化などの循環器系疾患を対象としているが、これらの疾患を有する歯周病患者では、歯周病のみを有する患者に比べて、歯周病の病態が重度であり、また、歯周治療による局所炎症の軽減、消退が全身的にも好影響を及ぼしていることを示唆するデータが得られつつある。糖尿病患者では代表的な歯周病原性細菌であるP.gingivalisのに対する血清IgG抗体価とLDLコレステロール値が相関していた。また、P.gingivalis線毛タイプを調べたところ、歯周炎との関連性が示唆され、循環器疾患との関連性についても調べる予定である。これらの全身疾患は生活習慣病に分類され、そのベースにインスリン抵抗性やメタボリックシンドロームという病態を有している。本研究において、インスリン抵抗性の高い患者では歯周病の罹患度、進行度が高いという結果を得ており、基礎疾患としてのメタボリックシンドロームを考慮していく必要があると思われる。歯周病は糖尿病の6番目の合併症であり、生活習慣病であることから、その治療にはメタボリックシンドロームの一病態として捉える必要性があることが示唆された。 また、妊娠時には妊娠性歯周炎、妊娠性糖尿病が起こることが知られており、近年、歯周病を有する妊婦の低体重児出産が起こることも報告されており、妊婦への口腔ケアの影響についても研究を進めている。
|