研究概要 |
本年度は次年度の本発掘調査のための準備期間と計画しているので,現地と国内でそれぞれ以下のような作業を進めた。 1.現地での準備作業 (1)現地アル・ザヤーン村との折衝 村長と交渉の上,公民館の借用許可を得た。 (2)電力の確保 村と共同で,遺跡脇に電柱を建て,電力線を敷設した。 (3)測量用基準点の設置 現地測量業者と共同で,遺跡周囲の三角点を探索し,調査地域周囲の4箇所に基準点を設置した。 (4)地形測量と実測 発掘予定地域の地形測量ならびに現存するAl-Zayyan Templeの遺構の実測を行った。 (5)周辺遺跡の踏査 Al-Zayyan Templeは,ローマ時代のスーダンとの隊商路Darb al-Arbainの防衛のための城砦として使われた。Al-Zayyan神殿西遺跡も同時代かそれ以前の時代のものと考えられるので。Al-Zayyan Templeと同時代の同様な性格を持つ遺跡,Dush Temple, Qasr Al-Ghweita, Hibis Temple, Nadura Temple等を視察し,調査した。 (6)文献,地図などの収集 ハルガオアシスの周辺環境を理解するために,エジプト西方砂漠の地理,地史,生活史などに関する文献,書籍,地図などを収集した。 (7)考古局との折衝 カイロのSupreme Council of Antiquityに赴き,次年度の発掘許可申請などについて協議した。 2.国内での作業 (1)エジプトで収集した資料の整理と分析を行った。地図などについては,GISによる分析が可能なようにデジタル化した。 (2)次年度本発掘調査隊の隊員編成と役割分担について打合せを行った。
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