研究課題/領域番号 |
15251006
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
亀井 宏行 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60143658)
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研究分担者 |
渡邊 眞紀子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10175119)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 助教授 (20183577)
塚本 俊夫 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 考古学研究室長 (30241269)
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キーワード | エジプト / ハルガオアシス / 神殿 / 西方砂漠 / グレコ・ローマン時代 / 遺跡 / 発掘 / 3次元デジタルアーカイブ |
研究概要 |
1.発掘調査:地中レーダ探査結果に基づき設定した隣接する5m×5mの大きさのトレンチを3箇所発掘した。出土した遺構は直径2mほどの窯とみられる遺構と、それを切って作られ直角の壁を持つ遺構、さらには、表面に一層だけ積まれた日干レンガの遺構である。それぞれの遺構の時代はまだ確定できていないが、遺構の切りあい状態から、窯跡が一番古いと思われる。出土遺物は、土器類がほとんどで、グレコ・ローマン期(2-3世紀ごろ)のものと推定される大型の彩色のある壷、水差し、椀類、イスラム期の土製パイプなどが出土している。この遺跡の特徴として、保存状態が極めて良好で、多くの完形品が出土している。 2.地理・土壌調査:遺跡周辺の踏査にて、過去に水が存在した痕跡や水路痕を発見した。いくつかの水路痕についてはGPS測量を行い地図上に記録した。この水路痕は神殿の西に2km以上も伸びていて、貯水池の痕跡や、耕作の痕跡も発見した。この遺構の年代は不明だが、アル・ザヤーン遺跡の環境復元やオアシスの水利用の歴史を明らかするために重要な遺構と思われるので、次年度以降の調査課題とした。また、砂漠の土壌について、貫入試験機よる土圧測定・標本採取・観察を行い、砂については、6種類への分類を行った。 3.デジタルアーカイブ:現在のアル・ザヤーン神殿の3次元デジタル記録を行った。その過程で、過去に行われた現神殿の修復作業において、誤った復元がなされている可能性を発見した。さらに、発掘過程の3次元デジタル記録も試みた。
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