研究課題/領域番号 |
15251007
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
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研究分担者 |
小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 助教授 (80274679)
宮本 一夫 九州大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (60174207)
富岡 直人 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (90241504)
西本 豊弘 国立歴史民族博物館, 教授 (70145580)
中橋 孝博 九州大学, 大学院比較社会分化研究院, 教授 (20108723)
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キーワード | 完新世 / 環境変化 / 生業活動 / 動物遺存体 / 栽培穀物 / 環境適応 |
研究概要 |
最終年度にあたり、クラーク5遺跡の発掘報告書を作成し、アンドリエフによりかつて『中国考古学報』に掲載されたザイサノフカ1遺跡の出土資料をモスクワ歴史博物館で資料化し、ポッセット博物館所蔵の南沿海州地域で採集されたヤンコフスキー文化期の考古遺物とともに、図録を作成し出版した。アンドリエフの発掘したザイサノフカ1遺跡の資料は東北アジア新石器時代の規準資料であり、考古学報に掲載された資料以外にも注目すべき遺物も存在していた。またポセット博物館所蔵品は膨大なものであり、ほとんど部外者には目に触れることがなかった貴重な資料である。採集品ではあるが、我々の発掘調査により得られた共伴遺物の検討と、これまでにロシア考古学者の研究成果を踏まえると、ほぼ所属時期を特定することが可能であり、今後の研究に裨益するところが大きいと思量される。 また最終報告『東北アジアの環境変化と生業システム』では7編の論攷と2編の自然科学分析結果を載せ、4年間にわたる共同調査の成果をまとめた。論攷には遺跡出土動物遺存体の分析、新石器時代の土器編年、紡錘車の時空的広がりと農耕との関連、ザイサノフカ遺跡検出の人骨の分析、初期農耕の導入における地域的適応問題などがある。 4年間における発掘調査と資料分析結果は、3編の発掘報告書、1編の集成図録、総括論文集の形で公表した。東北アジアの初期農耕文化の動向を把握しつつ、ロシア極東の新石器時代から青銅器時代の生業活動の変遷を明らかにした点は高く評価されるであろうし、これら大部分英文で報告したことは、世界各国の研究者に裨益するところが大であると思量される。
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