研究課題/領域番号 |
15251007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
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研究分担者 |
小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 助教授 (80274679)
宮本 一夫 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60174207)
富岡 直人 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (90241504)
西本 豊弘 国立歴史民俗博物館, 教授 (70145580)
中橋 孝博 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 完新世前期 / 環境変化 / 適応 / 生業システム / 南沿海州 / 初期農耕 |
研究概要 |
「東北アジアの初期農耕文化の成立期において、在来の狩猟採集民が環境変化に適応しながらどのようなプロセスを経て、農耕文化を受容するに至ったか」という問題を解決するために、ロシア沿海地方南部の遺跡を発掘し、出土した動植物遺存体の分析を中心として、近隣地域との比較検討をおこなった。発掘調査をおこなったのは、内陸地域のクロウノフカ1遺跡と沿岸部に立地するザイサノフカ7遺跡とクラーク5遺跡である。これは内陸地域と沿岸地域という異なった生態環境のもとで、農耕文化受容のメカニズムの異同を把握するためであった。 クロウノフカ1遺跡の調査での発掘により、紀元前3000年ころにはこの地域の住民はすでにキビを中心とした穀物栽培を営んでいて、それ以外に大量の堅果類を食していたことが明らかにされた。一方沿岸部のザイサノフカ7とクラーク5両遺跡では内陸地帯よりも穀物栽培の導入が遅れ、生業活動の上での比重が低いことが類推された。これは内陸地帯にはない豊富な海産資源の存在が、穀物栽培受容プロセスの異同に強く関係していることを示している。 このプロジェクトでは、クロウノフカ1遺跡、ザイサノフカ7遺跡、クラーク5遺跡の発掘調査、ポセット博物館に所蔵されているポセット湾一帯で採集された遺物の集成を英文で報告し、これらとは別に、総括的な最終報告書を日本語、英語、ロシア語で作成し、出版した。
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