研究分担者 |
河合 香吏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (50293585)
太田 至 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (60191938)
平野 聡 筑波大学, 歴史・人類学系, 助手 (60344842)
岡倉 登志 大東文化大学, 文学部, 教授 (40129929)
湖中 真哉 静岡県立大学, 国際関係学部, 助手 (30275101)
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研究概要 |
1.地域社会班(1)カクマの難民キャンプは,生活物資の取引だけでなく,家事手伝いや日雇い労働の雇用元として,貧困化したトウルカナには不可欠な存在となっている。(2)廃物利用と修繕技術が、サンブルの物質文化のなかに極めて大きな割合を占め,また商品経済と密接に結びつき,新たな物質文化を形成している。(3)ボラナとガリの境界域では,井戸紛争が日常化している。井戸管理においてボラナが私的所有権を保持するのに対して,ガリはクラン共有制を保持している。井戸管理システムの違いが,地方での裁判で論議され.,その齟齬によって暴力的な解決が試みられる。(4)レンディーレは年齢体系と婚姻時期の人口統制システムを撤廃したので,世帯数と人口が急増している。また,通過儀礼がクラン間でレンディーレ方式と南隣のサンブル方式に分化し,レンディーレの全体的統一性が崩れてきた。(5)土地と家畜をめぐる所有概念は複雑であり,当事者が交渉による自力解決をその都度要求されている。 2.広域的社会経済班(1)エチオピアでは経済自由化後に多くの業者が皮流通に参入してきたが,流通経路が社会的紐帯によって統制されているので,その参入は制約をうけている。(2)2002年総選挙で成立した民主党(DP)新政権は,「新政権=キクユ人政権」という批判を全国的にうけて社会的な危機を深刻化している。 3.GIS/RS解析班(1)レンディーレランドで衛星画像解析に必要な地上基準点座標の測量を実施した。(2)レンディーレランドにおける1997〜2000年の4年間について、植生量変化の衛星画像解析を行った結果、少雨期間の2年目にあたる2000年には、平原地域のNDVIが0.1以下(裸地もしくは非常にまばらな植生を示す)となることが判明した。(3)ウガンダの牧畜民ドドスの空間認知地図を基礎資料として、地理空間の認知とその表象化についてGIS(地理情報システム)を用いた解析を行った。
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