研究課題/領域番号 |
15251011
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
堀内 正樹 成蹊大学, 文学部, 教授 (10209281)
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研究分担者 |
大塚 和夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70142015)
宇野 昌樹 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40347612)
清水 芳見 中央大学, 総合政策学部, 教授 (10216111)
奥野 克已 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (90250018)
新井 和広 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 非常勤研究員 (60397007)
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キーワード | アラブ / 中東 / ネットワーク / 文化人類学 / 民族誌 / 多国籍 |
研究概要 |
初年度の基礎調査と2年度の広域調査の成果に基いて、本年度はアラブ世界と周辺地域との比較資料を得るための拡大調査を、基礎調査に加えて実施した。拡大調査はセネガル共和国において総合調査の形態で実施し、研究代表者堀内、研究分担者大塚・奥野・宇野、研究協力者水野が参加した。堀内はモロッコ系移民のネットワークが本国とのあいだで緊密に維持されていることを確認した。宇野は、同国最大の移民集団であるレバノン系商人の活動を調査し、そのネットワークが本国および南米、ヨーロッパをつなぐ国際的な広がりをもつことを発見した。奥野は市場でのハラール食品の流通実態を調査し、東アラブ地域の市場活動との比較データを入手した。なお奥野はフランスのアラブ・アフリカ系住民地区の市場でも同様の調査を行い、有効な知見を得た。大塚は内陸部の聖地トゥーバを訪れ、イスラム教団の有するネットワークの広がりを確認した。水野は吟遊詩人の村を訪れ、楽器生態学・演奏学の視点から調査し、北アフリカとの連続性を発見した。総合調査参加者は引き続いて以下の各地で基礎調査を続行した。堀内(モロッコ)、大塚(エジプト)、奥野(エジプト)、宇野(レバノン、シリア、フランス)、水野(フランス)。 研究分担者清水は、前年度の調査で収集したヨルダンにおける家族・親族ネットワークに関する資料の分析に専念した。またレバノンにおける巡礼者ネットワークの解明を、前年度に引き続いて研究協力者池田に依頼し、池田は広範な面接調査を実施した。 本年度はアラビア半島南部に関する情報を収集するため、新たな研究分担者新井がイエメンで聖者廟参詣に関わるネットワークの調査を実施し、廟の分布状態を正確に記録した。また同国の市場ネットワークの解明を研究協力者大坪に依頼し、大坪は嗜好品の流通ネットワークが同国を中心に東アフリカとイギリスなどにまで拡大している事実を把握した。
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