研究課題/領域番号 |
15252003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 行夫 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60208634)
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研究分担者 |
速水 洋子 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (60283660)
柳澤 雅之 京都大学, 東南アジア研究所, 助手 (80314269)
長谷川 清 文教大学, 文学部, 教授 (70208479)
村上 忠良 宮崎公立大学, 人文学部, 講師 (50334016)
西本 陽一 金沢大学, 文学部, 講師 (00362012)
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キーワード | 東南アジア大陸部 / 雲南 / 国境域 / 上座仏教 / イスラーム / 実践宗教 / 社会変容 / 移動 |
研究概要 |
現地調査は以下のように実施された。8-9月:北タイ地域のキリスト教徒社会と宗教政策(西本)、カンボジア在家女性修行者の組織(高橋)、南タイ・マレーシア北部の仏教徒マイノリティとムスリム社会の変容(黒田)、1-3月:東北タイ地域文化政策と宗教(林)、中国雲南省徳宏地区における仏教制度と宗教政策(長谷川)、同地域における出家行動と仏教徒の活動(林)、カンボジア在家女性修行者の個人史(高橋)、今年度よりの分担者による雲南=北タイの華人ムスリム社会の変容(王)、北タイの漢人社会における移動と宗教と民族意識(兼重)について、それぞれ関連省庁、研究機関および調査対象地域、農村において聴取、参与観察、文献蒐集を実施した。併せて、2月から3月にかけてカンボジア・プノンペンおよびシェムリエップの仏教に関連する古文書(ソテア)、中国雲南省西双版納・徳宏における仏教徒社会の変容(楊)に関する調査、東北タイにおける開発僧の組織(ピニット)に関する調査を行った。また、研究分担者に同行した研究協力者のべ4名がそれぞれミャンマーの仏教サンガ法令、ミャンマーのケントゥンにおけるシャン仏教寺院組織(8-9月)、中国=ビルマ国境の仏教徒の活動、タイ・コラートのヤーモー信仰(3月)について基礎資料の蒐集、儀礼の参与観察を実施した。国内の研究会を二度(7月、2月)開催し、初回は前年度の成果公表と新規分担者を加えての調査研究主題の再検討、二回目は今年度調査成果報告と総括討議を行った。すでに成果の一部を学術雑誌や一般誌上で公開している。今年度を総括すれば、政情不安に陥った南タイ、マレーシアを除いて、これまで蓄積された法制度的資料の検討の上に、国境域での制度状況および実践に関する新たな一次資料蒐集が飛躍的に進めることができた。最終年度にむけて、研究の焦点は、国民国家上の制度から境域、実践における制度状況へと順調に移りつつある。
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