研究課題/領域番号 |
15253001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
安仁屋 政武 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (10111361)
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研究分担者 |
青木 賢人 金沢大学, 文学部, 助教授 (30345649)
榎本 浩之 北見工業大学, 工学部, 教授 (00213562)
安間 了 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (70311595)
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キーワード | パタゴニア氷原 / 完新世 / 環境変動 / カービング / エクスプロラドーレス氷河 / ペリート・モレーノ氷河 |
研究概要 |
2005年度も北パタゴニア氷原エクスプロラドーレス氷河班と南パタゴニア氷原のペリート・モレーノ氷河班に分かれて現地調査・観測を行なった。 特筆すべきは、エクスプロラドーレス氷河班は現地の冬である7月〜8月に現地調査を行なったことである。パタゴニア氷原での冬の学術的観測はおそらくこれが最初ではないかと考えている。調査はエクスプロラドーレス川沿いにあるモレインの調査と年代測定試料の採取、グロッセ氷河の前面のモレインの調査ならびにシルコ川とエクスプロラドーレス川の合流付近にあるグロッセ氷河によって形成されたモレインの調査と年代測定の試料採取であった。あいにく降雪により地面は見えなかった。観測は前年に引き続き、氷河の流動測定、気象観測(気温、雨量)、流出河川の流量測定などである。冬期の流動を計測したことは、氷河のダイナミクスを解明するうえで非常に重要である。2004年末から継続している自動気象・水文観測ステーションのメンテナンスおよびデータ回収を行ない、1年以上の観測値を得ることができた。そのほかに、氷河上における気温と融解量分布の観測、および氷河流出河川における流量観測・サンプリングを実施した。さらに氷河から流出する浮流土砂濃度を長期観測するために、流出河川に濁度計を新たに設置した。 ペリート・モレーノ氷河において、中流部の表面高度測量および歪速度観測、カービングフロント付近の氷河流動の短期変動観測および写真測量、融解観測、氷河湖水位観測、中流部における年間流動観測用のGPS記録計回収、氷河脇山腹における長期写真記録計および温度計測のロガー回収など、年間を通じての氷河歪観測、毎日のGPSデータ収集ができた。氷河脇での短期の湖形成、その湖に向かってのカービングの開始などを観察した。
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