研究課題/領域番号 |
15253002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川良 公明 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (50292834)
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研究分担者 |
吉井 譲 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (00158388)
田中 培生 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (70188340)
土居 守 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (00242090)
河野 孝太郎 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (80321587)
小林 尚人 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (50280566)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 赤外線望遠鏡 / 赤外線天文学 / 大気透過率 / 水蒸気量 / シーイング / 測光夜 / 風速 / 赤外線大気環境 |
研究概要 |
我々は、気象衛星による観測データをもとにチャナントール山(標高5,600m)を東京大学アタカマ天文台(TAO)6.5m赤外線望遠鏡設置の候補地として選定した。しかし、地表付近での局所的な観測環境は上空からでは測定できず、地表からの調査なしに設置場所(サイト)を決定することはできない。本研究の目的は、測定装置(気象観測装置やシーイングモニター)を山頂に運搬設置し、天体赤外線観測に重大な影響を与える地表付近の雲、空気の乱れ(シーイング)、風速などを測定することであった。 本研究における、活動は次のとおりである。 1 チャナントール山麓(標高5000m)に設置してある雲モニター、気象モニター、シーイングを用いて大気赤外線環境のモニターを行った(平成15〜17年度)。 2 チャナントール山頂へ人員と機材を運搬するための調査運搬路を整備した(平成15〜17年度)。 3 チャナントール山頂(標高5600m)に雲モニター、気象モニターを移設し、大気環境モニター観測を開始した(平成17年度) 4 大気環境調査データを解析した。 5 チャナントール山頂における天文観測としてふさわしいテーマに関する予備的な研究を行った。 その結果、次の成果を得た。気象データ、雲量については、基本的には標高5000mの平原で測定したものと変わらず、天文観測にとって良い条件である。山頂でのシーイング測定では、0.4秒角に達する素晴らしい結果が得られた。この測定値は、くぼ地にシーイングモニターを設置するという不利な条件で得られたもので、最悪値とみなすべきであり、当サイトの潜在能力の高さを示している。 以上のように、チャナントール山頂が地上で最も優れた大気赤外線環境特性を有していることを実証することができた。よって、本研究の目的は達せられた。
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