研究課題/領域番号 |
15253003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平田 直 東京大学, 地震研究所, 教授 (90156670)
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研究分担者 |
金澤 敏彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (30114698)
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90242172)
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00183385)
岩崎 貴哉 東京大学, 地震研究所, 教授 (70151719)
蔵下 英司 東京大学, 地震研究所, 助手 (00302620)
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キーワード | 台湾 / 衝突境界 / 地震テクトニクス / 反射法地震探査 / トモグラフィー解析 / 造山運動 / アクティブテクトニクス / 地殻の剥離 |
研究概要 |
本年度は、既存データの収集・再解析に基づいて、(1)トモグラフィー法による3次元速度構造モデルの構築、(2)反射法地震探査データによる地殻断面の作成、(3)重力データによるモデルの検討を行った。これらの成果を基に、地震探査の実施計画の詳細を決定した。 この計画に基づき、現地の踏査を行い実施計画の詳細を検討し、平成16年の冬から17年3月に、台湾南部で自然地震探査を実施した。この探査では、(1)南部台湾を東西に横断する測線上(約120km)に、50台の1Hz-3成分型の地震計を設置して自然地震を観測し、地殻構造を求めるための観測(2)測線中央部の地震活動の活発な場所(クラスター活動域)で、10台の地震計からなる小規模群列観測を実施して、高精度震源分布を得るための観測(3)クラスター活動域に約6kmの測線上に90chの稠密アレイ観測点を設けて自然地震反射法を適用できるデータを得るための観測を行った。この地震探査では、台湾・中央研究院地球科学研究所、台湾国立中央大学と協力して、台湾の定常観測網のデータも観測期間中連続収録して、統合データベースとした。 本観測期間中に多数の自然地震が発生した。例えば、クラスター活動域では深さ10km程度の微震地震が観測できた。予察的な解析では、1日1個程度の発生頻度であった。また、平成17年3月20日福岡県西方沖の地震(Mj7.0)も観測され、南部台湾の地殻構造を推定するための良好なデータが得られた。これらは、台湾の造山活動を解明するための基礎資料となった。
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