研究課題/領域番号 |
15254005
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
後藤 春彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70170462)
|
研究分担者 |
井手 久登 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70011905)
村上 佳代 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (50329140)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
キーワード | 都市・地域計画 / 計画論 / シティ・リージョン / ガバナンス |
研究概要 |
最終研究年度は、英国における都市・地域計画の動向を包括し、その理論をまとめた。 (1)「シティ・リージョン」 EUにおけるサスティナブルな都市戦略と呼応し、英国内では「シティ・リージョン」という新たな空間認識が、現代における社会生活基盤単位として台頭してきた。1997年に誕生したブレア政権は、国内の全地域の競争力強化を目的に掲げ、地方分権を協力に推進している。前者は、「競争力ある都市・地域・国家」の基盤としての経済戦略に比重を置く。後者の地方分権は民主政治の近代化を進めるガバナンスに比重を置く。この経済/政治システム改革に共通の基盤となるのが「シティ・リージョン」という空間構成である。その背景には1980年代に公共セクターの断片化が極端に進んだ反省がある。その一貫性を取り戻すために、新たな空間構成における政治機構が導入された。1999年に発足したRegional Development AgencyやRegional Spatial Strategyという本質的により力強いメカニズムである。ここで着目すべきは、単なる空間計画の差し替えではなく、その遂行に関わる計画(政治)主体を明確にしたことにある。 (2)Strategic Spatial Planning SSPとは、欧州を中心として近年議論が盛んになっている現代における「関係性の空間像」を与件とした計画理論である。ここでいう関係性の空間とは、社会系、生態系、生物系などすべての関係性の中で本質的に現れる空間を意味する。概略すれば、「空間」の概念が実在主義的、いわゆるユークリッド学的地理概念から、新しい関係性の地理概念への変化と捉えられる。つまり、あらゆる空間概念(実在/想像)におけるパラダイムシフトであると言ってよい。その特徴として、「都市の概念」「社会とその統治機構」「計画の機能」「計画行為という力」を分析軸・理論構成要素とする。
|