研究課題/領域番号 |
15255007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 文部科学省統計数理研究所 |
研究代表者 |
長谷川 政美 統計数理研究所, 予測制御研究系, 教授 (60011657)
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研究分担者 |
加藤 真 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (80204494)
湯浅 浩史 東京農業大学, 短期大学部・環境緑地, 教授 (10072620)
宝来 聰 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (40126157)
飯田 卓 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助手 (30332191)
金子 明 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60169563)
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キーワード | マダガスカル / キツネザル / テンレック / バオバブ / ゴンドワナ大陸 / 多様化 / 絶対送粉共生系 / ミケア |
研究概要 |
マダガスカルの原猿類とテンレック類は、アフリカから渡ってきたそれぞれの祖先種1種から多様に進化してきたものである。これらマダガスカル固有哺乳類の起源と多様化の機構を明らかにするためには、まずこれらの動物の系統関係を知らなければならない。分子系統学的な解析を行うため、原猿類に関して今年度は4科12属16種のキツネザル類の糞サンプルを得た。これらについてミトコンドリアDNAの解析を進めている。また、テンレック類に関しては、ヒメハリテンレックのミトコンドリア・ゲノム配列の解析が完了し、オナガテンレックについての解析を進めている。 マダガスカル北西部を中心にバオバブを現地調査した。その結果ラヌマラザ川とサンビラノ川流域で、樹皮が白く、葉、花、果実に特色のある個体群の存在が確認でき、形質上はAdansonia bosyという種を認めるべきと考えられた。バオバブはマダガスカルに7種、アフリカに1種、オーストラリアに2種分布しており、マダガスカルが旧ゴンドワナ大陸での多様性の中心になっているが、これがどのような要因によっているのかを明らかにするために、分子系統学的な解析を行っている。 マダガスカルの5つの植生において、さまざまな植物の訪花者群集の調査を行った。多様な訪花者の中で、アフリカミツバチとPachymelus属のハナバチが特に重要な送粉者であると推察された。また、アジアで発見されたコミカンソウ亜科の絶対送粉共生系がマダガスカルでも発見された。 近年、マダガスカルでは、急激に森林が減少している。それに伴い、森の民といわれた狩猟採集民ミケアは森林産物の利用ができなくなり農耕に依存するようになっている。本研究では、森林の動態と地域社会の変容との関係を把握することを目的とした。ミケアは、様々な要因によって、これまで行ってきたワオキツネザルの狩猟ができなくなったが、現在彼らをペットとして利用するようになった。
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