研究課題/領域番号 |
15255010
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
馬場 悠男 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 部長 (90049221)
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研究分担者 |
海部 陽介 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究官 (20280521)
河野 礼子 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究官 (30356266)
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キーワード | 人類進化 / 古人類学 / 人類化石 / ホモ・エレクトス / 原人 / インドネシア / CT / サンブンマチャン |
研究概要 |
先行研究の厳密な吟味の結果、これまで報告されているジャワ原人化石頭骨の計測データには、研究者間での不一致が大きいことが明らかとなった。これまで多くの研究者が、複数の機関で管理されているジャワ原人化石コレクションの一部について、それぞれの基準に基づく計測値を公表してきた。そのために研究者間での誤差があるだけでなく、そうした計測値の中には、計測点を誤って同定しているものや、中には明らかな誤植と思われるものまで、不適切なものが少なくない。現に、近年出版された一部の研究は、こうした不適切なデータセットを活用しているため、誤った結論を導いているものが散見される。そこで我々は自ら正確なデータを収集することを計画し、インドネシアのガジャマダ大学(ジョグジャカルタ)および地質調査所(バンドン)において、18点にのぼる頭骨化石の厳密な計測を行った。計測点の同定にあたっては、実物化石の表面を清掃した上での肉眼観察を行っただけでなく、先行研究との比較吟味、さらに4点の化石については高解像度CTデータの活用も加えて、正確性を期した。最終的に、これまでで最も信頼性が高いと自負できる計測データセットが整い、来年度における解析のための準備が整った。 サンブンマチャン4号頭骨の元来の出土層位を突き止めるため、化石に付着している砂の解析を行った結果、それは我々がこれまで調査したどの路頭にも該当しないものであることが明らかとなった。この結果をもって来年度に現地へ赴き、さらなる路頭の調査を行うことにした。 ジャワ原人の歯と顎化石のCT撮影を予定していたが、現地側研究者の都合により、来年度以降に延期することとした。一方、先に終えた歯と顎化石の肉眼的観察に基づく最初期のジャワ原人の変異と分類学的位置についての研究成果を、専門誌に発表した。
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