研究分担者 |
佐藤 和広 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (60215770)
加藤 鎌司 岡山大学, 農学部, 助教授 (40161096)
辻本 寿 鳥取大学, 農学部, 教授 (50183075)
佐藤 洋一郎 総合地球環境学研究所, 教授 (20145113)
阿部 純 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00192998)
|
研究概要 |
本研究班を構成する下記5グループがのべ22回にわたって現地調査を行い,中国及び周縁国における作物の進化・遺伝的多様性を検討した.その概要は下記の通りである. 1.オオムギ・コムギグループ;ヒマラヤ周辺地域におけるムギ類の多様性を明らかにする目的で,インド北部(2003),中国雲南省・貴州省(2004,2005)において現地調査を行い,いずれの地域においてもムギ類の在来品種を見ることができた.中国西南部の標高3000m以上の地域では春播栽培されており,チベットとの共通性が認められたが,3000m以下の地域では秋播栽培されおり,異なるタイプの遺伝資源を導入できたと考えている. 2.イネグループ;インド,タイ,ラオス,カンボジア,ベトナムと中国周縁国のイネ遺伝資源を調査し,在来種の相互関係,雑草イネの発生状況と遺伝子流動の関連,野生種の分布に関する知見を集積した.これらの調査報告を各地域の研究機関に提出し,今後の遺伝資源解析体制の確立を行った. 3.ダイズグループ;栽培ダイズと野生ダイズの進化的関係ならびに両者の遺伝子流動の実態を明らかにする目的で,分布密度の高い韓国東部の同所的サイトで,開花の動態と遺伝構造の解析を行った.野生集団には,遺伝子流動の結果と考えられる中間型の存在や栽培型遺伝子の混入は認められなかったが,野生個体間で他家受精が行われており,栽培および野生個体間の遺伝子流動の可能性が示唆された. 4.メロングループ;南・東アジアに固有のノーネット型メロンの起源と多様性を明らかにする目的で,ミャンマー(2003),インド東北部(2004,2005),中国雲南省(2005)において現地調査を行った.いずれの地域においても在来メロンはノーネットであったが,アッサム地方においては3種類の変種が栽培されていた.また,ミャンマーでは雑草メロン,中国雲南省ではマクワ・シロウリ系の在来メロン遺伝資源を収集した.
|