研究課題
今年度は、カンボジアを中心に調査した。(1)発酵米麺:発酵米麺であるノンバンチョックの製法は次の通りであった。米を水に浸漬したのち塩とともに磨砕機にかけて磨砕した後濾して布の袋に入れて放置し、水を切る。その後茹での操作を行い表面から1cmくらいまで糊化させた後混捏を行い、押し出し機に入れて麺を沸騰湯浴中に押し出し、水で冷却して水気をぬぐっていた。これらの米、浸漬米、しとぎ塊、麺について室温乾燥して持ち帰った。各製造工程中の生菌数を測定後、分離菌として保存培地に保存した。(2)大豆発酵食品:シェンと称されている大豆発酵食品の製法は次の通りであった。水に浸漬した大豆を煮た後、木製の棚の上に広げ布で覆って二晩放置することにより、日本の糸引き納豆に類似する発酵物を作る。次にこの発酵物を約20%食塩水と瓶の中で混合し、5日間以上放置することにより熟成させる。形が残っている豆と汁を調味料として使用する。空中浮遊または布に付着している細菌が増殖するものと推測できた。試料を採集すると共に、斜面培地に細菌を採取した。(3)魚醤油:海岸線には海産魚を内陸部では淡水魚を原料とする魚醤油が作られていた。製造方法は樽に原料となる魚と飽和濃度以上の食塩を仕込んで半年以上発酵させていた。樽の底部から溶液を得、瓶に入れて約半年間熟成させて製品としていた。試料を採集すると共に、斜面培地に細菌を採取した。タイにおいては、新麺の製造を行い新麺の試料として乾燥方法の異なる試料を得た。また、材料の米、しとぎ塊も乾燥させて持ち帰った。タイの共同研究者の協力で発酵麺の料理を行なってもらい、新麺との官能的な比較を行った結果、実用可能な麺であった。ラオスにおいては、今後の研究試料の持ち帰り方法について、ラオス大学と農林省と話し合い、今後の調査の参考とした。
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