研究課題
基盤研究(A)
東南アジアおよび照葉樹林帯では多くの民族が生活しており、伝統発酵食品を用いた生活をしている。これら発酵食品も生活様式の変化により減少しつつある。平成15年から17年度にかけて、これら伝統発酵食品の中に存在する微生物の多様性とそのシーズ保存をするため、発酵食品の製造過程と利用方法を調査すると共に、微生物を分離保存し、採集した食品中の成分分析を行い機能性成分の検討を行った。調査地域は、タイ、カンボジア、ラオス、中国等を調査した。調査対象食品は、主に米を原料とする発酵麺、小麦粉製品、大豆発酵食品、魚醤油等の魚発酵食品、茶の発酵食品(後発酵茶)や肉の発酵食品である。発酵製造工程食品中の微生物は、現地にて、数種類の培地を用いた菌数測定を行い、日本にて分離した微生物の保存を行った。発酵食品の成分分析により、製造過程における種々の風味物質の生成のみならず、血圧降下作用のあるγ-アミノ酪酸(GABA)等の機能性物質の生成、たんぱく質の低アレルゲン化などが明らかとなった。このように発酵食品成分を分析記録し、微生物の関与を解析し、さらに菌株を保存することは、長年食されてきた発酵食品の隠れた機能性を明らかにするのみにとどまらず、新たな機能性食品の開発につながる可能性のあるものである。伝統発酵食品中の微生物資源の採集と移動は、生物多様性条約に関わる問題であるため、相手国と共同で慎重に研究を行った。協定書を締結した国から、微生物保存のデータベース化を行うとともに公開を予定している。
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