研究課題
青海省玉樹蔵族自治州玉樹県牧場野草放牧地(N33°03'E96°51'、標高4000m、面積不明、牧柵なし、通年放牧)において、2004年8月16日〜19日3日間3頭、2004年12月27日〜12月31日4日間3頭の行動観察を行った。また5月初旬に50×50×50cmのプロテクトケージを10カ所設置し、8月下旬と12月下旬に植生調査と草量調査を行った。行動は、採食・休息・反芻を含む43項目に分類し、姿勢を立位と横臥に区分して、2分間隔で記録した。また夜間の反芻行動時に、食塊の吐き戻しから嚥下までの咀嚼持続時間と咀嚼回数を計測した。採食時間は8月が506.2分/日、12月が418分/日であった。反芻時間は上記観察日それぞれ314分/日、270.2分/日で採食時間よりも短かった。休息行動時間は2004年12月に8月よりも長かった。横臥割合は2004年12月(47.1%/日)に2004年8月(33.8%/日)よりも高かった。反芻行動では食塊咀嚼持続時間が2004年8月、2004年12月にそれぞれ50.9、56.5秒/回で、冬季に青海省北部よりも短かかった。咀嚼1回当たり時間は1.00〜1.09秒であった。行動パターンは8月には昼間に短時間横臥姿勢を示したが、冬季には連続して採食し、夜間0時以降の反芻行動が少なかった。植生はイネ科(Elymus nutus、Stipa spp.、Poa spp.)およびカヤツリグサ科(Kobresia humilis, Kobresia pygmaea)が優先種であった。プロテクトケージ内外の草量は、8月に339および98.4g/DM/m^2、12月に65.9および15.9g/DM/m^2であった。プロテクトケージ内外の草量差から求めた採食量は、5〜8月に240.6g/DM/m^2、9〜12月に50g/DM/m^2となった。
すべて 2005
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日本草地学会誌 51巻別号