研究課題
1.日本人に多い冠動脈攣縮の分子機構に、血管平滑筋のCa感受性を亢進させる分子であるRho-kinaseの発現や活性の増加が深く関与していることを、一連の基礎的・臨床的研究により、明らかにした。2.肺高血圧患者において選択的Rho-kinase阻害薬が選択的な肺血管拡張作用を有することを明らかにした。3.動物モデル(イヌ)において、Rho-kinaseの活性化が心臓の虚血再灌流障害の分子機構に深く関与していることを明らかにした。4.肺高血圧症の治療に広く用いられているプロスタサイクリンがRho-kinaseの抑制作用を有しないことを明らかにし、同症の治療におけるプロスタサイクリンとRho-kinase阻害薬の併用療法の有用性が示唆された。5.Rho-kinaseの活性化が心不全における末梢血管抵抗の増大の分子機構に深く関与していることを、臨床研究において明らかにした。6.ヒトのRho-kinaseのcatalytic domainに新規のSNPであるG930Tを見出し、このSNPがRho-kinase活性の増加を伴うことを、培養細胞を用いた研究により明らかにした。7.冠攣縮誘発テストを行った日本人において、このT930alleleの頻度が、陽性群において陰性群や正常者に比して有意に高値であった。さらに、ヨーロッパの大規模臨床試験グループであるENCORE Studyグループとの共同研究において、このSNPがCaucasianには認められないことを認めた。8.我々のRho-kinaseに関するこれまでの基礎的・臨床的研究成果を英文総説にまとめて発表した。
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