研究課題/領域番号 |
15256003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東北大学 (2005) 九州大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
下川 宏明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00235681)
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研究分担者 |
小池 城司 九州大学, 病院・助手 (90325522)
伊藤 昭 九州大学, 病院・講師 (00360868)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 冠動脈攣縮 / 冠攣縮性狭心症 / Rho-kinase / 遺伝子解析 / 国際共同研究 |
研究概要 |
1.日本人に多い冠動脈攣縮の分子機構に、血管平滑筋のCa感受性を亢進させる分子であるRho-kinaseの発現や活性の増加が深く関与していることを、一連の基礎的・臨床的研究により、明らかにした。 2.冠動脈攣縮の分子機構におけるRho-kinaseの関与は、心表面を走る太い冠動脈だけの冠動脈攣縮だけではなく、微小血管狭心症の原因になっている心筋内の微小冠動脈の攣縮にも関与していることを明らかにした。 3.長期間Rho-kinaseを抑制すると、冠動脈攣縮の活動性そのものが著減し、薬剤なしでも冠動脈攣縮が生じない、いわゆる「退縮(regression)」が生じることも明らかにした。 4.ヒトのRho-kinaseのcatalytic domainに新規のSNPであるG930Tを見出し、このSNPがRho-kinase活性の増加を伴うことを、培養細胞を用いた研究により明らかにした。 5.冠攣縮誘発テストを行った日本人において、このT930alleleの頻度が、陽性群において陰性群や正常者に比して有意に高値であった。さらに、ヨーロッパの大規模臨床試験グループであるENCORE Studyグループとの共同研究において、このSNPがCaucasianには認められないことを認めた。 6.したがって、冠動脈攣縮の頻度が日本人に多い人種差の原因の一つとして、少なくともその一部に、Rho-kinaseの活性化のされやすさが関与していることが示唆された。 7.我々のRho-kinaseに関するこれまでの基礎的・臨床的研究成果を英文総説にまとめて発表した。
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