研究課題/領域番号 |
15256005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
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研究分担者 |
依田 浩子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
鈴木 誠 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50107778)
程 くん 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
宮崎 秀夫 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00157629)
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50332648)
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キーワード | アジア民族 / 口腔がん / 表在型扁平上皮癌 / 前癌病変 / OSF / 歯科補綴物 / 噛みたばこ / 病理疫学 |
研究概要 |
(1)症例収集:口腔がんおよびその前癌病変症例を、スリランカ、インド、バングラデシュ、マダガスカルで、現地の海外共同研究者の各教授たちのもとに抽出した。これらの症例については、研究代表者朔およびほかの研究分担者が各施設に出張し、症例を共同で検討した。口腔がん症例では、組織学的に古典的な浸潤性高分化型扁平上皮癌と非浸潤性表在性扁平上皮癌を区別し、癌組織に隣接する上皮内癌と前癌病変としての異型上皮の形態も記録し、OSF症例では、その進行度と粘膜炎の性状および異型上皮の程度との関連を解析した。日本人口腔がん症例は新潟県症例を用いた。 (2)疫学調査:日本側研究者とアジア各国の海外共同研究者とそれぞれ現地において、疫学調査の具体的方法を協議した。すなわち、口腔粘膜扁平上皮癌およびOSFの患者の氏名、年齢、性、住所、民族、初診時期、噛みたばこの量と継続時間、口腔衛生状態、口腔症状、経過、処置、予後等の調査方法の様式を定めた。以上(1)(2)の結果について検討し合い、次項(3)(4)をふくめて今後の調査進行について協議した。 (3)口腔粘膜下線維症に関する分子病理学的実験:(1)で収集したOSF症例のパラフィンブロックから連続切片を作製し、病理組織学的病期を分類した。つぎに、パラフィン切片を作製し、免疫酵素組織化学法とin-situハイブリダイゼーション(ISH)法を行い、各病期ごとのヘパラン硫酸プロテオグリカン、ファイブロネクチン、I・III・IV型コラゲン、テネイシン、エラスチン等の細胞外基質分子の発現を蛋白質および遺伝子レベルで解析した。 (4)口腔粘膜の扁平上皮癌と異型上皮に関する分子病理学的実験:(1)で収集した口腔粘膜癌症例のパラフィンブロックから連続切片を作製し、病理組織学的に扁平上皮癌と異型上皮の分類をおこない、さらにp53等のがん原遺伝子産物の免疫組織化学とISH法で発現の局在を同定した。同時に、切片よりマイクロディセクション法によりDNAを抽出してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法による各遺伝子DNA断片増幅をおこない、直接シークエンス法によって塩基配列を決定している。
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