研究課題/領域番号 |
15300002
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 建昭 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究所, 教授 (80087436)
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研究分担者 |
照井 章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究所, 助手 (80323260)
野田 松太郎 愛媛大学, 工学部, 教授 (10036402)
甲斐 博 愛媛大学, 工学部, 講師 (10274341)
加古 富士雄 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90152610)
福井 哲夫 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教授 (70218890)
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キーワード | 近似代数 / 近似的代数計算法 / 計算機代数 / 近接根分離 / 最小根間距離 / 近似GCD / 近似無平方分解 / 数式処理システム |
研究概要 |
近似代数に関して、(1)アルゴリズム研究、(2)システム開発、(3)応用研究を行った。 (1):1変数多項式の近接根を分離する定理を2根からなるクラスタに特化した定理と、C上の多項式に対する最小根間距離の上界定理を得た(佐々木・加古)。これらの定理は一つの近接根クラスタ以外の根を集団的に扱う新しい方法で得られた。この方法に基づき、一つの近接根クラスタ因子を非常に安定に分離する代数的方法を考案し(佐々木・加古)、クラスタ中の根全体を(他根を計算することなく)同時に計算する数値的方法を考案した(照井・佐々木)。多変数多項式の近似多重根をべき級数の形で計算する方法を開発し、それに基づいて近似無平方分解の新しい算法を研究した(佐々木)。有理関数近似において、係数を決定する行列が近似特異な場合でも不必要な極が生じるが、それは行列の条件数と計算精度に依存していることを明らかにした(甲斐)。 (2):これまでに開発したアルゴリズムを大勢のユーザに使ってもらうため、XML形式を基本とし、ウェブサービスの考えを取り入れて、異なるタイプの端末から目的とする数式処理システムに簡単にアクセスするためのシステムを開発した(野田)。QR分解を用いた近似GCD算法を数式処理システムAsirに実装した(甲斐)。 (3):8直線実射影平面上アレンジメントに関し、計算代数と近似代数を応用して生成実験を行い、8直線配置の分類パターンを全て明らかにした。この実験において、交点の対称性が高い場合に横断線の存在の仕方が異なることを発見した(福井)。
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