固定パラメータ問題に対する高速算法に基づく計算困難問題の解決

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15300003
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 北陸先端科学技術大学院大学
• 研究代表者: 浅野 哲夫 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90113133)
• 研究分担者: 中野 浩嗣 広島大学, 大学院・工学研究科・複雑システム工学専攻, 教授 (30281075)
• キーワード: 入力依存の専用回路 / アルゴリズム / ハードウェア / 組み合わせ最適化

研究概要

今年度は,従来のアルゴリズム理論における漸近解析の枠組みを見なおすことから始め,固定パラメータ問題を高速に解くための様々な技術を理論的見地から再検討を行った。コンピュータゲームのプログラムでは固定されたパラメータを上手く利用して真に効率の良いコードを生成しようと試みられている.さまざまな職人芸的なテクニックが、コンパイルされるとどのようなコードになるのかを厳密に調べることにより、実際の計算時間に近い形での解析を得ることができる。
本研究では、まず個別の問題を効率よく解くアルゴリズムを設計し、プログラムとして実装することによりその実行時間を詳細に解析することから始めた。具体的な問題としては、離散幾何の立場からのディジタルハーフトーニング問題や、計算幾何における幾つかの問題である。これらの研究成果は国際ジャーナルに掲載されるとともに、主要な国際会議においても発表され、内外から高い評価を得ることができた。次年度は、計算機のモデルを構築することから始めて、如何にして職人芸を科学の域にまで高めることができるかに挑戦する。

研究成果

• [文献書誌] T.Asano, N.Katoh, K.Obokata, T.Tokuyama: "Matrix Rounding under the Lp-Discrepancy Measure and Its Application to Digital Halftoning"SIAM Journal on Computing. (採録決定).
• [文献書誌] T.Asano, N.Katoh, H.Tamaki, T.Tokuyama: "The structure and number of global roundings of a graph"Theoretical Computer Science. (採録決定).
• [文献書誌] T.Asano, M.deBerg, O.Cheong, L.Guibas, J.Snoeyink, H.Tamaki: "Spanning Trees Corssing Few Barriers"Discrete and Computational Geometry. (採録決定).
• [文献書誌] T.Asano, D.G.Kirkpatrick, O.K.Yap: "Pseudo-approximation algorithm with applications to optimal motion planning"Discrete and Computational Geometry. (採録決定).
• [文献書誌] S.Sasahara, T.Asano: "A new halftone technique to eliminate ambiguous pixels for stable printing"Proc Electronic Imaging Science and Technology. 490-497 (2004)
• [文献書誌] T.Asano: "Algorithmic Approaches to Digital Halftoning"15th Canadian Conference on Computational Geometry. 72 (2003)