研究概要 |
本年度において,(1)汎用ロバスト認識システムの高度化及び,(2)極低消費電力型超高速認識LSIの開発・試作と試作認識LSIを登載する小型ボードの設計と実現に関する研究を実施した。 (1)汎用ロバスト認識システムの高度化 (1)子供の声に対応できるフレーズ認識システム 前年度まで環境雑音0dB程度で、不特定話者の成人男性・女性の場合、ピーク性能で98%程度の認識正答率を実現している(自動車ノイズ・100単語認識・平均60%(40種類の雑音環境))が、子供の声に関しては、十分な性能を得られていなかった。本年度において、実用的なレベルである、雑音環境(10dB)における、子供の認識率95%程度を実現する方式の拡張(適応システムに拡張する)を行った。 (2)キーワード認識システムの高度化 キーワード認識システムは、登録済みのキーワードの存在を、自然発生の発話文章から自動認識する方式である。雑音環境下でも、従来の方式に比べ高い性能がえられることを示し、約70%程度の抽出性能を実現した。さらにおいて、この性能向上のため過去において誤認識をした結果を参照しながら、最終認識結果を求める、知的処理を導入し、より高度な方式実現を行った。 (2)極低消費電力型超高速認識LSIの開発・試作と試作認識LSIを登載する小型ボードの設計と実現 (1)小型音声認識ボードの試作 前年度までに極低消費電力を実現するリコンフィグアラブル音声認識チップを設計・試作・実現している。このチップを実際に利用して、マイクによる音声入力部分・自動利得制御を有するアナログ増幅器などのアナログフロントエンド部分を有する小型音声認識ボードを試作・実現し、その性能評価を、フィールド実験において有効性を確認した。
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