研究概要 |
研究期間二年目にあたる本年度は,データ駆動型実時間システムとして,ボトルネックの生じないレイヤ2/3間インタフェース,および,顔などの生態情報にもとづく認証などの実現法を検討するとともに,このような環境を実現するためのユビキタスネットワーキング向きデータ駆動プロセッサアーキテクチャの各々について,以下のような検討を加えた. (データ駆動型実時間システムの実現法) まず,ボトルネックの生じないレイヤ2/3間インタフェースについては,データ駆動プロセッサCUE-v1とATM/FastEthernetのネットワークLSIを用いた実現法を検討した.その結果,CUE-v1とATM/FastEthernetとの間のデータ送受信をFPGAとデュアルポートメモリを用いて構成することによって,ネットワークLSIの持つデータ転送能力を全く阻害しないインタフェースの実現が可能であることを実証した.顔などの生態情報にもとづく認証システムについても,データ駆動プロセッサの同時並行処理性の活用によって,実時間常時認証システムが実現可能であることが見出された. (ユビキタスネットワーキング向きデータ駆動プロセッサアーキテクチャ) メディア処理・ネットワーク処理に必須となる順序依存処理を高効率に処理するために,データ駆動プロセッサにインライン実行方式を導入し,同一のパイプライン上でデータ駆動実行による多重処理とインライン実行による順序依存処理が行えるプロセッサアーキテクチャのVLSI実現法について検討した.その結果,10%程度のハードウエアの追加によって,データ駆動・制御駆動のハイブリッド実行方式が実現可能であることが判明した.
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