研究課題
地球規模の10Gbの超高速ネットワーク網の実現により、大量データの高次処理を必要とする実験科学の分野では、LANでの計算環境と、ネットワークの先にある実験観測機器あるいは共同研究機関内の計算環境とのシームレスな利用が期待されている。しかし、現実には、遠距離通信におけるレイテンシの問題、および広バンド幅ゆえのバッファリング問題、いわゆるLFN問題、が遠隔地間の協調計算において大きな障害となっている。また現在の高速ネットワークの特性として、小さいデータサイズでの通信を行うと、ネットワークの性能が引き出せないことが知られており、なんらかの形で通信データをまとめ、大きなサイズでの通信を行うことが重要な課題となっている。本年度の研究では、初年度の研究成果を発展させ、さらに大規模な実験を行った。具体的には、実験科学の新しい手法として注目される大量データ駆動計算を目標として、複数の研究機関が超高速大域ネットワークにより結合された環境で、CPU負荷が高く巨大メモリを必要とし大量データ入力のあるソフトウェアが繰り返し実行されるという前提のもと、プログラマブルな知的ネットワークインターフェースボードを活用して、CPU負荷の少ない安全な通信を実現し、低レベルプロトコルとストライピング技法の組み合わせによる自動マルチストリームの実現による超高速データ転送を実現した。これらはSuperComputing(SC 2004)を始めとした国際会議で広く成果を発表し、国際的にも高い評価を受けた。また、研究協力者の伊藤と、これらの研究の背景となる理論について検討し、その成果を採択率が低い国際会議で発表した。また、インターネットのリンク情報の活用技術についても論文を発表し、昨年度に続いて、このようにシステムから理論までの成果をあげることができた。
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すべて 雑誌論文 (6件)
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