研究概要 |
3年間の計画に対して,申請者はまず,ハフマン符号に基づく圧縮・展開アルゴリズムと埋め込み展開器および圧縮器の関係をモデル化し,そのモデルを用いた解析を行った(平成15年度).さらにそれを拡張した統計型符号化手法に対する解析,新たな符号化手法の提案,そして解析に基づいたテストアーキテクチャ設計手法の提案・評価を行った(平成16年度).これらの成果は今年度に論文としてまとめ終わり,電子情報通信学会の論文誌で公開している(1件は2005年6月掲載,もう1件は現在投稿中). 最終年度である本年度はこれまでの成果をもとに,以下の実回路を対象とした圧縮・展開テストアーキテクチャ設計手法を提案してきた. 1.再構成可能LSIを利用したテストデータ圧縮・展開手法 市場に出荷されてからそのハードウェア構成を変更できるFPGAを対象とし,これらの再構成可能性を利用して,再構成可能な圧縮・展開機構を提案した.これにより,テスト環境に応じて内部の構成を変更することでテストデータの圧縮率を向上でき,さらに再構成可能性のおかけで設計フローの簡約化が可能となった.この成果は国内の研究会(電子情報通信学会RECONF研究会)や国際ワークショップ(DELTA06)で報告を行った. 2.画像処理用LSIを利用したテストデータ圧縮・展開手法 現在広く使われているLSIの1つに,DVDプレイヤーや携帯電話などで使われているJPEG画像処理用LSIがある.研究では,画像処理用LSIに含まれている画像圧縮・伸張用モジュールの一部をテストデータの展開・圧縮器として利用することで,小さいオーバヘッドで高い圧縮率を実現できることを提案している.また,同時にこのようなアーキテクチャに適したテストデータの生成方法についても議論を行っている.現在この成果は論文としてまとめている段階で,来年度の最初に国内研究会で発表を予定している.
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