研究概要 |
本研究では,まず,各メディア情報を対象とした感性情報を表現する言葉を自動抽出する方式を用いて,メディア情報群を言葉という共通のメディアを用いて表現する.さらに,これらの情報を言葉の距離を計量可能な共通の空間(以下,ユニバーサル空間)に人間の感性に反映した統一的な作用素によって写像することによって,異種メディア情報群の連結を可能とした.具体的な内容は,以下のようになる. 本研究では,異種メディア情報群に対する,メディア間感性検索を実現するために,まず,メディア情報の感性検索を対象としたメタデータを自動抽出する方式に関する研究を行った.この研究によって,画像,楽曲および人間の顔からメタデータを自動抽出する方式を実現した.さらに,これらのメディアデータの多面性を反映し,同データから自動抽出方式を用いて別々に抽出された様々な内容のメタデータを適切に統合し,より適切なメタデータを生成する機構を実現した.また,前述した研究に加えて,本研究では,言葉で表現された感性情報の写像方式に関する研究も行った.この研究では,メディア情報の感性情報として表現される言葉を,感性検索を行う人間の感性に合致する作用素を設計した.さらに,この設計を上述したメタデータ自動抽出方式に適用し,異種メディア間検索が可能な実験システムを構築した.この実験システムでは,具体的にはメタデータの自動抽出が可能となっている画像,楽曲および人間の顔という3つの異種メディアをユニバーサル空間に写像し,これらの異種メディア間での検索を実現した.同実験システムを用いて異種メディア間感性検索の評価実験を行い,その有効性を示した.
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