研究概要 |
1 眼球運動高速検出を目的とした低分解能画像のための並列画像処理アルゴリズムの開発(川嶋、長崎) 本年度は初年度に引き続き,視線の高速な動きを観察するために,読書時の視線の挙動を計測するためのシステムを用意し,分析を行った。その結果,視線の高速な移動に要する時間は移動距離に応じて減少するため,読書時における高速眼球運動では60分の1秒以下で移動してしまう場合があることがわかった.また,ヒューマンインタフェースとして視線移動を利用する場合の表示系と合わせた総合的なタイミングの設計に関しても分析を行い,あわせてドイツで行われた国際会議の論文集として成果発表した.現在,さらに小さな眼球運動を正確に分析するための,高精度な眼球運動パラメータ決定法について検討を進めている. 2 ビジョンチップへのインプリメンテーションに関する調査(秋田) 受講阻止と信号処理回路を同一チップに集積したVision Chipむけのアーキテクチャとして,並列動作セルオートマトンを用いた画素並列処理を行い,超高速物体検出を行う手法について検討し,試作を行った.処理の内容はセルオートマトンによる収縮処理によって撮像面の物体の中心を検出するもので,眼球の座標,プルキンエ像の中心などをもとめることを前提としている. 検討の結果,100×100画素で毎秒250,000フレームの処理が可能であり,高速化の結果,サッケードなどの高速な挙動分析が可能になることがあきらかになった.成果は画像の認識・理解シンポジウムにおいて報告するとともに,現在国際会議に投稿し採録が決定している.
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