研究概要 |
1 眼球運動高速検出を目的とした低分解能画像のための並列画像処理アルゴリズムの開発(川嶋、長崎) 最終年度はとりまとめとして,サッケードのような視線の高速な動きを精密に観察するために,眼球運動の高速計測のための統合計測モデルを確立した。視線計測アルゴリズムのうち,角膜反射像と瞳孔中心を用いる手法は,高速に求めることができビジョンチップに適しているが,視線方向の観測精度の面で有利とはいえない.それに対し,瞳孔形状を用いる手法は,正確な方向を求めるためには,瞳孔形状の楕円近似による推定適しているが、処理の高速化は難しい.そこで、これらの2手法を拡張カルマンフィルタで統合し、高速で高精度で視線計測を実現できることを明らかにした。これらの内容はシンポジウム論文として発表している。 2 ビジョンチップへのインプリメンテーションに関する調査(秋田、川嶋、長崎、戸田) 急速眼球運動に対応した視線検出機能を持つVision Chipアーキテクチャを提案した.視線の検出には瞳孔とプルキニエ像の位置の二つのパラメータが必要であり,今回提案するVision Chipは,眼球画像からの瞳孔とプルキニエ像の検出方法,およびそれらの中心の検出方法,中心の座標生成を行うものである.本Vision Chipアーキテクチャの構成要素のうち,二値化後の処理を行うディジタル処理部(PE)をFPGA上に実装し,正しく動作することが確認できた.またPE数を100×100とした場合のクリティカルパスを考慮したフレームレートは146[kfps]となり十分に急速眼球運動を検出できることを確認した.これらの成果は国際会議および研究会において報告するとともに,現在すでに原著論文として投稿中である。
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