研究課題
本研究では、対話型進化計算を用いてイメージ構成やデザイン問題に対して人間とコンピュータの相互協力の可能なシステムを構築した。これは人間の評価系をモデル化して組み込むという従来の分析的なアプローチに対して、人間そのものを設計過程に取り込み、本人の評価に基づいてコンピュータに最適な設計をさせるアプローチである。具体的にはGAやGPをインターラクティブに利用して、複雑な設計問題への有用な支援ツールを実現した。とくに、(1)音楽、(2)3次元アーキテクチャ、(3)WWW上の擬人化エージェントキャラクタ、の3つの分野のデザインに絞って、以下のようにシステムの有効性を明らかにした。これらはそれぞれ聴覚、(2)視覚、(3)マルチモーダルの感性に対応し、代表的なデザイン領域と考えられる。1.音楽(特にリズム)の対話的生成システムを実現し、創発デザインの有効性を明らかにする。2.WWW上の擬人化エージェント(MPMLキャラクター)の対話型設計システムを構築し、人にとって親しみやすいプレゼンテーションエージェントを実現する。3.創発デザインシステムを用いて3次元のアーキテクチャの設計を行い、感性情報処理からみた有効性を議論する。さらに開発した手法をソフトウェアだけではなく、ハードウェアのデザインにも適用する。具体的には進化型ハードウェアの設計に対して本手法を適用し、望ましいハードウェア設計の実現システムを構築した。
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