研究概要 |
平成15年度は,交付申請書の項目(1)〜(3)に対応して,以下の成果を得た. (1)位相限定相関法によるサブピクセル画像センシング・画像処理技術の体系化 本研究代表者らは,位相を用いた画像照合手法における相関ピークの閉じたモデルを導出し,これと実データの関数フィッティングにより,0.1〜0.01ピクセル精度の画像照合を可能にした.本年度は,周波数空間で合成された相互位相スペクトルに対する適切なフィルタリング処理,およびフィルタ形状に応じたピークモデルによる関数フィッティングにより,さらなる高精度化を実現した.最適なフィルタ形状に関する理論的考察を行うとともに,相関ピークの高さによる画像類似度の系統的評価法について検討した.さらに,この結果に基づき,画像の相似変換パラメータ(平行移動量,回転角度,拡大縮小率)ならびに画像類似度の高精度評価法を考察した. (2)サブピクセル画像センシング・画像処理技術の応用に関する検討 上記の応用として,高精度2次元・3次元計測技術,超解像イメージング技術,オブジェクトベース画像符号化技術,セキュリティ向け個人認証技術(バイオメトリクス技術)について検討した. (3)DSP向けデータパス設計システムの検討 本研究代表者らのグループで研究開発を行っている算術演算アルゴリズム記述言語ARITHと進化的グラフ生成手法EGG(Evolutionary Graph Generation)を基本としたDSP向けデータパス設計システムについて検討した.ARITHについては,基本仕様を策定し,その処理系の第1バージョンの設計を行った.また,EGGについては,その基本フレームワークの仕様およびソースコードをWeb上で公開するとともに,DSP向け高性能データパスの合成への適用についても検討した.
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