研究概要 |
平成16年度は,交付申請書の項目1〜3に対応して,以下の成果を得た. 1.平成15年度に体系化した画像の相似変形パラメータ(平行移動量,回転角度,拡大縮小率)ならびに画像類似度の推定技術について,その高精度化を検討した.平成15年度に実施した実験の結果,画像サイズが比較的小さい場合(約32×32ピクセル以下の場合),位相限定相関法による画像照合の精度が大幅に劣化することが見出された.このことは小領域の画像ブロックを用いる多くの応用で問題となる.本年度は,この問題を克服するために,(1)多重解像度画像を用いる階層的探索,(2)画像中の限定された領域における全探索,(3)微小領域におけるサブピクセル探索などを組み合わせた新しい位相限定照合アルゴリズムを開発した. 2.位相限定相関法の応用について検討した.具体的には,(1)2次元画像計測分野の応用として電子顕微鏡の高画質化・高精度化技術,(2)3次元画像計測分野の応用として金属部品を対象とした高精度形状検査技術,(3)映像処理分野の応用として超解像イメージング技術,背景スプライト生成技術,およびオブジェクト抽出技術,(4)バイオメトリクス分野の応用として指紋画像および顔画像による個人認証技術を検討した. 3.算術演算アルゴリズム記述言語ARITHに基づくDSP向けデータパス設計システムの実現について検討した.その第1段階として,並列乗算器を生成するモジュールジェネレータを構築し,テクノロジに依存しないHDLコードの形式で種々の並列乗算器を公開・配布した.進化的グラフ生成システムEGGを用いた2値論理回路・多値論理回路・アナログ回路の統合設計環境の可能性について実験的に検討した.
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