研究課題/領域番号 |
15300051
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平井 有三 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (80114122)
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研究分担者 |
酒井 宏 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (80281666)
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キーワード | ITS / 道路交通標識 / HSV表色系 / 反対色ブィルタ / 判別分析法 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、赤で縁取られた円形の標識の中の、速度制限30km、40km、50km、駐車禁止、駐停車禁止、追い越し禁止の6種の標識を対象に、認識精度の向上に関する研究を進めた。また、「止まれ」の標識認識に関する研究を進めている。 赤で縁取られた円形の標識認識に関しては、標識内部の記号の切り出しに使っている「赤-緑」型反対色フィルタの妥当性について検討した。駐車禁止と駐停車禁止は赤と青で、追い越し禁止と速度規制は白地に青の記号で表現されているので、「赤-青」型フィルタの方がよいように思える。市街地2時間のビデオ画像から得られた975枚の標識画像のうち、「赤-緑」型反対色フィルタの個別認識率は85%、「赤-青」フィルタの個別認識率は87%であった。しかしながら、標識画像系列の最後の画像に対する認識率は、「赤-緑」型反対色フィルタが95%、「赤-青」フィルタが90%であり、「赤-緑」の方がよい結果となった。この傾向は、白地に青の記号を含む追い越し禁止と速度規制で顕著であり、これらの標識では個別認識率も「赤-緑」の方がよかった。解析の結果、背景の白地の部分に青の成分が極めて多く含まれているため、図の青の部分との青信号との強度差が、緑成分に比べて少ないことが原因であることがわかった。この結果から、道路交通標識の配色は「赤-緑」型反対色フィルタを有する人の視覚系の機能と適合していることが示唆されるので、。 また、認識部に関するアルゴリズムの見直しを行った結果、個別認識率が93%、系列認識率が97%へと向上した。さらに、従来他の標識に誤識別されていたもののほとんどを正答率を犠牲にすることなくリジェクトすることができるようになり、認識システムとしての信頼性を大幅に向上させることができた。 現在は、「止まれ」の標識認識に関する研究を進めているが、文字部の切り出しに「明度」と「彩度」の比を特徴量とすることが極めて有効であることが明らかになっている。また、今年度購入した赤外線カメラによる夜間の歩行者検出に関する基礎的な検討を行っている。
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