研究課題
本年度の研究成果は以下の3点である。1.微動動作要素の抽出具体的な微動動作や発現状況を抽出するために、研究協力者の学生の参加によりブレインストーミングによる動作項目の列挙とKJ法による分類を行った。合わせてクラスター分析と数量化理論III類によるマッピングを行い健常者の日常的な動作の中に見られる微動動作が気分転換やストレス回避のために行われることが認められた。2.試作機を用いた動作実験の評価方法の検討感性的側面からリハビリテーション効果を評価するための方法について文献調査とプレ実験の結果を基に検討を行った。検討の結果、以下の3つの評価手法を妥当とし、実験計画を立てた。・ムーバの操作評価についてはNASA-TLXの設問をより適した内容に改良して用いる。・唾液中のアミラーゼを計測し、それを生理的なストレス指標として用いる。・主観評価については気分形容詞尺度法を用いる。3.試作機の開発・改良より実務的な環境で評価実験を行えるよう前年度より制作を行ってきたリハビリテーション・ムーバ試作機の改良を行った。オムニホイールによる全方位移動機構へ搭載するための車椅子用揺動装置の設計を変更し座面を旧型より低く抑えるとともにバッテリー駆動を可能とした。したがって一般的な電動車椅子と同様に通常のオフィス空間での動作評価・実験が可能となった。来年度は試作したリハビリテーション・ムーバを用い最終的な評価実験を行う予定である。