研究概要 |
本研究では,EMG(筋肉電位)信号で駆動され,オンライン学習が可能な携帯機器用の入力インタフェースの研究開発を行っている.特にEMG計測用センサとして,従来とは異なり乾式センサ4チャンネルを手首に装着する方式を実現し,手首6動作以上の動きをEMGにより識別するシステムを構築することが目的である.また,識別精度を極限にまで高めるために,利用者個人に適応できるオンライン学習可能なシステム構造とし,高速なリアルタイム学習用DSPボードを試作する. 本年度にはDSPに基づく試作器と4チャンネルセンサシステムの試作が完成した.実際に手首に装着したセンサシステムによりEMGの学習識別が可能であることを確認した. 一方,DSP上で高速学習可能な進化的ニューラルネットワークシステム及びそこからのルール化手法を開発することも必要である.現在,4チャンネルのセンサから必要な信号成分を抽出する技術,オンラインで高速に学習できる進化的ニューラルネットシステム,高速・高精度EMG識別のためのルール化手法の開発を行っている.特に,EMG信号を周波数信号に変換し,必要成分の抽出,それらによる関数生成の研究を現在おこなっており,ある程度の効果を確認している. また,より高速高精度性を達成するために,多段階の主成分分析を行うモジュール型ニューラルネットワークの構築を行っている.これは大分類と小分類の両方に対して主成分分析を行うことにより高速性と高精度性を達成できると考えられる.また,EMGに含まれるノイズ成分を除去するための独立成分分析による方法も現在,開発中である.ノイズの性質の注意深い解析と独立成分分析の新たな適用方法の開発が重要であると考えられ,現在検討中である.
|